アクトペディア6
- 御徴
『大神様』に選ばれたとされる証。
選ばれたものは、身体に何かしらの徴候が現れるという。
『神人』の特徴が、早期に現れたもの。
元々寿命が『神堕人』の半分ほどしかない『神人』だが、さらに早期に老化が進んだ部位を“御徴”神に選ばれた徴として取り扱っている。
- 座敷牢
どこかの地下に設けられた施設。
『神人』の社会においても、その存在は一部の者しか知らない。
この施設が使用されるのは、『神人』の社会において何かしらの問題が起きた際である。
この座敷牢の噂は町に『都市伝説』として伝わっており、住人から不気味に思われている。
この施設に入れられる者は、主に以下の2種類のケースが考えられる。
★新たな『神人』が生まれた場合。
望む望まないに関わらず、自らの現状を受け入れることのできない『神人』を収容する。
※新しいルールやコミュニティーを受け入れられず暴れたりした場合、『警察』に連れてこられるケースが多い。
ここで『神人』としての生き方を紳士的に指導する。
あくまでも仲間に対する相互理解として行っているため、拷問などは一切ない。
指導は、『白狼観音』と呼ばれる神官が、厳かに執り行う。
★『神人』が暴走衝動を抑えるのが困難であると判断された場合。
衝動抑制治療の効果がなく、医師の判断で必要性があると判断された場合、この施設に入れられ、更生させられる。
指導は、『白狼観音』と呼ばれる神官が、厳かに執り行う。
長時間かけて更生が必要とされる場であるため、畳敷きの狭いスペースにもかかわらず、快適に過ごせるような設備を整えている。
時間や外の情報を知ることはできないが、雑誌や最新のステレオ等々も設備されている。
使用されなかった『嫦娥医療センター』の旧病棟。
その地下に存在する。
座敷牢からは坑道が掘られており、『神域』へと唯一続く道とされる。
『神域』から座敷牢へと続くこの坑道は、まるで“あの世”と“この世”を結ぶ“黄泉比良坂”のようなものである。
- 大神祓
『カミオトシ』の儀に使用する、身の丈ほどもある大鎌。
刃元には大きな鈴が結わえ付けられており、振るうたびに荘重な音が響き渡る。
狼を祓う裁きの刃。
香気に堕ち、尊厳をなくし、ただの獣と化した狼を祓うとされている。
代々『カミオトシ』の儀を執り行う櫛名田家に受け継がれてきた。
- カミオトシ
“不埒”を犯した『神人』を裁く、古来から『神人』の間に伝わる儀式。
『神人』の身体には“狼”が宿るとされており、不埒を犯した者は身体に住まう“狼”が“鬼”に堕ちてしまったためだと言われてきた。
そのため、身体に宿る“堕ちた狼”を“祓いおとす”ことで不浄を祓うことが必要とされ、“狼をおとす”→“カミオトシ”と呼ばれてきた。
この儀式が『神人』の“掟”となっている理由は、そういった信仰的意味合いだけではない。
最大の理由は、『神堕人』との共生において、必要とされるからである。
儀式は、『神人』の中で代々執り行ってきた“櫛名田家”により処刑が執り行われる。
その後、古式に則った儀式が行われる。
儀式の内容は、不埒を働いた者を処刑し、惨たらしく解体することである。
恐ろしく、残虐な手法を執られるこの儀式は、同じような不埒を働こうという『神人』が出てこないよう、抑制力的意味合いが強い。
儀式の詳細は、下記の通りである。
儀式は『町内会』『自治会』が定めた執行人(オオカミの装束をまとった『町内会』『自治会』の代表を含めた町の自警団)によって執り行われる。
『不埒者』が逃走を図った際は、この執行人が追跡し、捕獲。
そして処刑される。
その後、見せしめとしてそのまま野晒しで晒され、いつの間にか片付けられる。
見せしめの場所は、『神堕人』が近寄ることのないような人通りの少ない場所。
そのような場所であっても、嗅覚の優れた『神人』にとっては、隠されていないのと同じである。
見せしめが行われているということは容易に気がつく。
見せしめ期間は、『衝動』による暴走レベルによって『町内会』『自治会』が寄り集まった会合の場で決定される。
そして最後には、骨すら残らぬほどに、この世に存在した痕跡を跡形もなく消去される。
処刑が行われていると知っていても、見物しようという住人はいない。
モラルハザードを起こした『不埒者』は許せないが“明日は我が身かもしれない”という恐怖感があるためだろう。
外から聞こえてくる断末魔の悲鳴に耳を塞ぐ『神人』の方が圧倒的に多数派である。
この儀式は、何も事情を知らない者には、非常に残虐な虐殺行為として目に映る。
また、苦しみながら断末魔の悲鳴を上げる『不埒者』も多い。
『不埒者』の近親者にとって、その光景はあまりにも無体で耐え難い苦痛を伴うものである。
儀式に関わる人物は、“フード付きロングコート(色は漆黒)”に“獣の毛を飾り付けた儀式衣装”を着用する。
顔には“オオカミを模した仮面”をつけて、自分の正体や素性を完全に隠している。
『町内会』『自治会』から組織された自警団、儀式に参加する家族や恋人。
執行人全員は、この定められた衣装をまとわなければならない。
この儀式用の装束一式は『町内会』『自治会』の所有物であり、処刑当日に執行者に貸し出される。
『神堕人』から見れば、これはカルトな異常殺戮集団に映るだろう。
だが、元々町に住んでいる『神人』たちにとっては知られた存在なので、見てもさほど驚くことはない。
だが彼らが何を行っているか知っているいるからこそ、逆に怯える者が多いとも思われる。
- 神人
『嫦娥町』に元々住む住人。
人とは異なるもので、その大きな相違点は“匂い”に敏感なことである。
人の発する匂いは神人を酔わせるらしく、その香気にあてられ理性を失ってしまった神人は、人を襲ってしまうこともある。
神人が人を襲うといっても、決して相手を殺してしまうということではない。
粘膜の接触により、神人は人を神人へと変えてしまう。
神人の暴走衝動……
それは前歯のすぐ後方の口蓋部にあるとされる臭覚装置に、相手のフェロモンを直接こすりつけたいという『衝動』。
その行為は、人から見れば接吻行為に見えるだろう。
しかし神人にとっては、本能に突き動かされた行為なのである。
彼らは、自らの身体を『大神様』に与えられた特別なものと考えており“神”が宿る神聖な肉体を得し者として……
また、人を襲う様が、狼が噛みついているように見えることから、“狼”“人”→“神人”、“噛む”“人”→“神人”となったと言われている。
人からしてみれば、彼らは人を襲うバケモノのように映るかもしれないが、彼らとて人との争いを望んでいるわけではない。
むしろ人との共生を望んでおり、人に存在を気づかせぬよう、ひっそりと暮らしている。
そのため、彼らの中には厳しい戒律が設けられている。
『神堕人』が神人に変わる際、身体が作り変わるという過程からか、高熱にみまわれる。
発症は人によりまちまちで、神人との接触があってその日の内にという者もいれば、5日ほどの潜伏期間を持つ者もいる。
神人となった『神堕人』は、以前まで放っていた香気を失ってしまう。
この夏の異常気象、『神堕人』の増加に伴う匂いの蔓延により、神人による『神堕人』への襲撃事件が見られるようになった。
一般の『神堕人』程度の匂いならば、神人も理性を保つことはできるが、『九澄博士』の持つ匂いは劇的に強いものらしく、加えてこの夏の異常気象により、神人たちの社会の中に異変をきたしている。
『神堕人』の匂いにあてられ、冷静さを失い理性を失いかけた神人の瞳は、爛々と赤く輝く。
それはまるで、獣を連想させる光にも似ている。
神人にとって、『口づけ』は神聖なものとされる。
神人のモラルの中には、永遠の愛を誓い合った時にしか交わしてはならないという考えが浸透している。
それは単に貞操観念だけでの問題ではなく、神人は『神堕人』と『口づけ』をすることで、相手を神人に迎えてしまう……
つまりは、神人へと変えてしまうことから、そのような教えが色濃い。
“神”に選ばれたとされる神人へと、相手を迎えいれる。
それは厳粛な儀式とされるため、たとえ神人同士の間であったとしても、その行為は軽々しく行うものではない。
神人が、例えばキスシーンを目撃するということは、永遠愛儀式に立ち会ったのと同じである。
そういったモラルが、神人たちの間では常識となっている。
神人の『衝動』は、『八朔』によってある程度抑えることができるという。
そのため、神人は定期的に『八朔』を摂取している。
『神堕人』に比べ、短命。
寿命は『神堕人』の半分程度しかない。
老化の進行が早く、ある年齢を過ぎると個人差はあるものの、神人の老化は加速度的にあがる。
40歳ほどの神人の見た目は、『神堕人』の老人のようである。
そのため結婚に対する意識が強く、求愛行動に過敏。
概ね高校を卒業する頃までには将来の伴侶を決めるというのが、神人の間では一般の考えとして浸透している。
- 神堕人
『神人』が自分たちとは異なる人を呼ぶ呼び名。
『神人』の暴走衝動は、『神人』の中に宿る“神”が暴走しているとされる。
神堕人は『神人』を狂わせる香気を放っており、自分たちの中に住まう“神”を暴走させ、堕とす存在という意味合いから“神堕人”と呼ばれている。
- 嗅人
『賢木儁一郎』が侮蔑を込めて『神人』のことを呼ぶ言葉。
犬のように匂いに対して敏感なことから、『神人』のことをそう呼称している。
- 不埒者
『衝動』に自制が利かなくなり、『神堕人』を襲ってしまった『神人』。
つまりは、『神堕人』を『神人』へと変えてしまった『神人』のこと。
それは『神人』にとって絶対的なルールを破ったということであり、その者は『神人』のルールをもって裁かれる。
『神堕人』との共生をはかる『神人』にとって、不埒者は出してはならない存在である。
一度でも不埒を犯してしまった『神人』は、『衝動』に歯止めが利かなくなる。
その『衝動』は、理性ではどうすることもできない。
不埒者として処刑された者は戸籍すら抹消され、この世に存在していた事実を全て隠蔽される。
そのため、墓や仏壇を作って供養することは、禁じられている。
- 暴走者
『神堕人』の香気に酔った『神人』が理性を保てなくなり暴走に陥った状態。
冷静に物事を考える思考はなく、ただただ漂ってくる匂いを貪る獣と化す。
暴走した状態の『神人』の身体は、常人の力や運動能力を遙かに凌ぐ。
※ヒトの脳の70%は使用されていないというが、暴走化した『神人』は、その70%の部分を幾分か使用しているとされる。
また、内に秘めた獣性をむき出しにした『神人』の瞳は、真っ赤な血のように爛々と輝いている。
- 衝動
『ミツ』に昂りをおぼえ、『神堕人』を襲いたくなる『神人』の性質。
それを抑制することが『神人』として生きていくための最低限のルールであり、正しい生き方とされる。